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家の木材にはどの種類がいい?適材適所な木材の活用方法を詳しく解説
2025.12.18
これから家の建築を考えている方の中には「どの木材を使って家を建てたらいいのかわからない!適材適所の木材の使い方は?」という悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
ひとくくりに木材と言っても、その性質・コストはさまざまです。必ずしも高級木材であれば良い、というわけではありません。
この記事では、家の建築によく使われる木材の特徴や選ぶときのチェックポイントなどを詳しく説明しています。
マイホームの木材選びに迷っている方は、ぜひ記事内容をご確認ください。
Contents
家の建築に欠かせない木材選びの重要性

家を建てるときの木材選びは、性能とデザインを左右するとても大切な工程です。
耐久性や強度、耐震性など家の基本的な安全性は、どの木材を構造材に使うかで決まると言っても過言ではありません。
また、快適性にも木材の性質が大きく影響します。木材が持つ調湿作用や断熱性は、一年を通して快適な室内環境をつくり、結露やカビの発生を防ぐ役割も果たします。
見た目やデザイン性においても、木材が果たす役割は大きいです。木材の持つ色合いや木目は、床、壁、天井など、家の雰囲気を決定づけます。温もりや安らぎをもたらす香り、年月とともに深まる味わいも、木材ならではの魅力と言えるでしょう。
木材は単なる建材ではありません。安全性、快適性、美しさを兼ね備えた、理想の家づくりには欠かせない大切なパートナーです。
【用途別】人気の住宅木材5選

住宅の建築によく使われる5つの木材について、特徴などを詳しく説明します。
- ヒバ
- スギ
- パイン
- オーク
ヒバ(檜葉)
特徴
ヒバはヒノキ科の木材で、和建匠では家づくりで大切な土台部分にヒバを使用しています。
ヒバは腐りにくく、シロアリにも強い耐久性が最大の特徴です。独特の強い香りはヒノキチオールという成分によるもので、抗菌・防虫効果があります。
向いている用途
構造材、内装材、床材、浴槽などです。
水に強く腐りにくいため、湿気の多い場所や浴室での利用に適しています。
メリット
最大のメリットは高い耐久性と見た目の美しさです。
ヒバは木に含まれる「ヒノキチオール」という天然成分により、強い抗菌・防虫効果を持っています。シロアリやダニを寄せ付けません。カビや腐朽菌繁殖の抑制効果はヒバ最大の魅力と言っても良いでしょう。
耐久性も折り紙つきです。法隆寺など歴史的建造物にも使われているように、ヒノキ科の耐久性の高さはすでに立証されています。伐採後も強度が増す性質を持ち、湿気や腐朽に強いです。
その他には、年月を重ねるごとに深みのある色に変化する「経年美」も楽しめます。美しい淡い色合いと上品な木目は、和風・洋風を問わず高級感と温もりを演出してくれるでしょう。
デメリット
一番のデメリットは価格の高さです。ヒバは生育に時間がかかり希少性も高いため、杉やパインなど他の建材に比べてコストが割高になりがちです。家全体をヒバで統一しようとする場合、予算を大幅に超えてしまうかもしれません。
一般的に効果とされるヒバの木ですが、和建匠では独自の仕入れルートによって比較的安価に提供できます。ヒバを使ってみたい、という方はお声がけください。
加工の難しさも、デメリットになり得ます。ヒノキ科の木材は密度が高く硬いため、加工には熟練した職人の技術が必要です。また、無垢材であるため、湿度の変化によって反りや膨張が起こる可能性があり、施工段階での適切な乾燥処理が不可欠となります。
スギ
特徴
スギは日本で最も広く使われている木材です。軽くて柔らかい特徴があります。
高い調湿性と断熱性に優れており、日本の多湿な気候にピッタリです。独特の優しい香りと、温かみのある木目は住宅用の木材に最適です。比較的安価で手に入りやすいため、内装材や建具によく使われます。
向いている用途
加工のしやすさから、床や壁、天井などの内装材、建具、家具などに適しています。素足で歩くと柔らかく、温もりを感じられるため、リビングや寝室などのリラックスしたい空間にピッタリです。
メリット
加工のしやすさは大きなメリットです。また、断熱性が高く熱を伝えにくい性質を持つため、夏は涼しく、冬は暖かい居住空間を保つことができます。
高い調湿性能も見逃せません。真夏の高温多湿な時期には木材自ら吸湿と調湿を繰り返すため、ジメジメとした不快感を軽減し、結露やカビの発生を抑える効果も期待できます。
程よい香りと優しい木目や温かみのある色合いは、安らぎ空間を演出するのに欠かせません。比較的安価で手に入りやすい点も大きなメリットです。
デメリット
スギの柔らかさはデメリットにもなります。他の木材に比べて傷やへこみがつきやすいため、家具を移動させたり、重いものを落としたりすると跡が残りやすいです。小さな子供やペットがいる家庭では、特に傷が目立ちやすいかもしれません。
湿度変化による変形のリスクもあります。乾燥した状態が続くと反りや割れが生じる可能性があり、逆に湿気を吸収しすぎると膨張する性質を持っています。
施工後にトラブルを防ぐには、十分な乾燥処理が必要です。
パイン
特徴
パインは軽くて柔らかい針葉樹です。明るくはっきりした木目と節の多さが特徴的で、温かみのあるナチュラルな演出には欠かせません。
他の木材に比べて安価で入手しやすく、加工がしやすいです。DIYにもよく使われています。
向いている用途
明るい色合いと温かみのある雰囲気が活きる、床材、内装材、家具、DIYなどに適しています。
柔らかくて加工しやすいため、素朴でナチュラルな空間づくりや、手作り家具の材料として特に人気です。
メリット
価格の安さと温かみのある雰囲気はパインの特徴であり、使用する上でのメリットでもあります。
他の木材に比べて比較的安価なため、予算を抑えつつ家全体に木材の温もりを取り入れたい場合に最適です。特に、広範囲にわたるフローリングや壁材に使用する際、コスト面で大きなメリットとなるでしょう。
その明るい色合いと個性は、素朴でナチュラルな空間を演出し、ログハウス風や北欧風のインテリアによく合います。その他には、柔らかい手触りも特徴的です。足触りが良く、素足で過ごす時間が心地よいと感じる人も多いです。
デメリット
パインの弱点は、素材の柔らかさと松の木特有のヤニです。非常に柔らかい木材のため、他の広葉樹(オークなど)に比べて傷やへこみがつきやすいのが難点です。椅子を引きずったり重いものを落としたりすると、すぐに跡がついてしまいます。
傷やへこみを木の風合いとして許容できない人にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
また、松の木特有のヤニ(樹脂)が染み出てくることがあります。ヤニは木の自然な性質であり、時間の経過とともに減少しますが、触るとべたつくことがあり、塗装のシミや剥がれの原因となることもあります。施工後数年間はヤニの対策が必要となる場合があります。
オーク
特徴
オークは別名「森の王」とも呼ばれる広葉樹です。とても硬く、高い耐久性を持っています。
木目がはっきりしており、虎の毛の模様に似た「虎斑(とらふ)」と呼ばれる美しい木目が出ることもあります。耐久性だけでなく、重厚感のある見た目と耐水性に優れている点も特徴の一つです。高級家具や床材として世界中で人気があります。
向いている用途
硬さと耐久性を活かして、床材や家具、建具などによく利用されます。耐水性も高いことから、キッチンやダイニングなどの水回りにも使われることがあります。美しい木目と重厚感から、高級感のある空間を演出したい場合にもピッタリです。
メリット
高い強度と耐久性にメリットがあります。
オークは広葉樹の中でも特に硬いため、傷やへこみがつきにくく、家具を引きずったり重いものを落としたりしても跡が残りにくいです。家族の多い家庭やペットを飼っている家庭でも、美しい状態を長く保つことができます。
美しい木目と重厚感も見逃せないポイントです。希少な「虎斑」と呼ばれる独特の模様は、オークならではの個性として珍重されます。高級感と落ち着きを演出したい場合に、大いに役立ってくれるでしょう。耐水性も高いことから、キッチンや洗面所など水気の多い場所にも安心して使用できます。
デメリット
オークのデメリットは、価格が高く加工が難しい点です。オークは成長が遅く需要も高いことから、他の木材に比べて価格が高くなりがちです。床材や家具として広範囲に使う場合、予算を超えてしまうかもしれません。
とても硬く重いため、加工には専門的な技術と専用工具が必要です。加工に手間がかかることから、施工費用が高くなりがちです。
また、オークは重厚な雰囲気を醸し出す木材のため、軽やかな雰囲気を好む人には不向きな木材です。
メイプル
特徴
メイプルはとても硬く、高い耐久性を備えている木材です。きめ細かく美しい木目と、清潔感のある淡いクリーム色、または白っぽい色合いで、上品な印象を与えます。
ボーリングレーンの床に使われるほどの強度を持っており、その傷つきにくい特性から床材や高級家具に最適です。
向いている用途
床材やキッチンカウンター、ダイニングテーブルなど、頻繁に使う場所や摩耗しやすい部分に適しています。その他、耐久性を重視したいポイントにも、ピッタリ適合してくれるでしょう。
メリット
メイプルのメリットは、トップクラスの硬さと清潔感のある美しさにあります。ものすごく硬いため、床材に使っても傷やへこみはほどんどつきません。重いものを落としたり、家具を引きずったりしても跡が残りにくく、美しい状態を長く保つことができます。
小さな子供や爪が鋭いペットを飼っている家庭でも、傷を気にすることなく使用できます。
また、清潔感や明るさを演出したい場合にも、メイプルは活躍してくれます。ナチュラルで洗練された空間を演出したい人や、北欧風、モダンなインテリアに合わせたい場合に、メイプルはピッタリです。
デメリット
メイプルのデメリットは、価格の高さと経年変化の少なさです。メイプルも他の高級木材と同様に、需要が高い割に成長が遅いため、価格が高く設定されています。広範囲にメイプルを使用する場合、他の木材と組み合わせた方がコストを抑えられます。
メイプルには時間の経過によって現れる経年変化が少ない特徴があります。
新品の状態を長く保ちたい人にはメリットとなりますが、木材ならではの風合いや色の変化を楽しみたい人にとっては物足りなく感じるかもしれません。
木材選びのチェックポイント

木材を選ぶ際に、欠かせないチェックポイントは次の4点です。
- 価格
- 特徴
- 見た目とデザイン
- 手入れのしやすさ
それぞれのポイントについて詳しく説明します。
価格
家の建築費用は、使用する木材の種類や量によって大きく変動します。すべての場所に高価な木材を使うのではなく、構造材には耐久性を、床材にはデザイン性を重視するなど、予算に合わせて適材適所の木材を選ぶことが、賢い家づくりには不可欠です。
一般的にヒノキやオーク、メープルといった高級木材は高価で、スギやパインは比較的安価です。高級木材は強度や耐久性に優れていますが、その分コストがかさみます。一方、安価な木材は手軽に導入できる反面、傷つきやすいなどのデメリットがあります。
適材適所にて、価格と性能のバランスをうまくとりたいところです。
特徴
木材の特徴は、家の性能に大きな影響を与えます。
強度や耐久性は建物の構造材を選ぶ上で最も重要です。地震に強い家づくりには、ヒノキやオークのような、強度に優れた木材が適しています。
一方、床材には、傷つきやすさや足ざわりを考慮した方が良いでしょう。柔らかいスギやパインは足に優しく温かい特徴を持っていますが、オークやメープルは硬く、傷がつきにくいという特徴が際立っています。
また、調湿性や断熱性も快適な暮らしには不可欠です。スギは湿気を吸放出する働きが高く、日本の多湿な気候に適しています。
見た目とデザイン
家の雰囲気や印象を大きく左右する見た目とデザインは、木材選びにおいて欠かせないチェックポイントです。同じ木材でも、その樹種によって色合い、木目、節の有無などが異なります。
はっきりとした木目と落ち着いた色合いで、重厚感や高級感を演出したい場合は、オークやヒノキを選ぶと良いでしょう。
一方、明るくナチュラルな空間を演出したい場合は、淡い色合いと優しい木目を持つ、スギやパインがおすすめです。
手入れのしやすさ
手入れのしやすさは大事なチェックポイントです。
木材の種類によって汚れにくさやメンテナンス方法がことなるため、ライフスタイルに合わせた木材選びが求められます。
オークやメープルのような硬い木材は、傷や摩耗に強く、比較的メンテナンスが容易ですが、柔らかいスギやパインは傷つきやすく、へこみや汚れが目立ちやすいです。傷を防ぐには何らかの対処が必要でしょう。
また、木材によっては定期的なオイル塗装やワックスがけが必要なものもあります。定期的なメンテナンスを楽しみながら手入れできるか、それとも手間だと感じるかは人それぞれです。
ライフスタイルに合った木材を選ぶことが、長く快適に住み続けるための大事なポイントとなります。
まとめ

夢のマイホームにふさわしい木材選びは、考えれば考えるほど迷ってしまいがちですが、用途を把握しておけばそれほど迷うこともありません。
木材ごとのメンテナンス性の違いもあるため、自身のライフスタイルとの適合も忘れないようにしましょう。手入れに時間をかけたくない方は、ワックスかけが必要な木材は避けた方が良いでしょう。
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