群馬県藤岡市の工務店 | 群馬県で新築・リフォームは和建匠にお任せください

column大工さんの豆知識

高気密・高断熱の住宅で猛暑も乗り切る!メリットやデメリットもチェックポイントを解説

2025.09.19

一生に一度の大きな買い物とも言われるマイホーム購入、できれば失敗はしたくないものです。中でも、昨今の高温多湿な日本の気候対策として、高気密・高断熱の家が気になっている方も多いのではないでしょうか。

高気密・高断熱の家は、一定の室温を維持できるため、外気温の影響に晒されることはありません。猛暑続きの日本の夏にはうってつけです。

この記事では、高気密・高断熱の家の仕組みやメリット・デメリット、建築業者の選び方などを詳しく説明しています。

マイホーム建築を考えている方は、ぜひ記事内容をご確認ください。

高気密・高断熱住宅とは?

高気密・高断熱の住宅とは、どのような機能を備えているのでしょうか。

具体的な機能それぞれの機能と、基準を紹介します。

  • 高断熱とは
  • 高気密とは
  • 両方が重要な理由
  • 高気密・高断熱住宅の基準

高断熱とは

住宅の高断熱化とは、住宅の壁、床、天井、窓などに高性能な断熱材を隙間なく施工して、家全体を外気から遮断する施工方法です。高断熱化ができれば、熱の出入りを最小限に抑えることができます。

精度の高い高断熱施工ができれば、冬は室内の暖かい空気が外に逃げにくく、夏は外の熱気が家の中に入りにくい状態を作ることができます。

光熱費の削減と快適な暮らしに、高断熱施工は欠かせません。

高気密とは

住宅の高気密化とは、住宅の壁や床、天井、窓などの部材の接合部にある隙間を可能な限りなくし、外部からの空気の侵入や、内部の空気の漏れを防ぐ施工方法のことです。

気密性が低いとどんなに高性能な断熱材を使っていても、隙間から外気が侵入し、断熱性能が著しく低下してしまいます。

高気密は、高断熱の効果を最大限に引き出すために欠かせません。

計画的な換気システムと組み合わせることで、室内の空気の質を保ちつつ、エネルギー効率の良い快適な住環境を実現します。

両方が重要な理由

高気密と高断熱は車の両輪と同じく、両方が揃っていないと効果を発揮しません。高断熱だけでは、壁や窓の隙間から熱が逃げたり、外気が侵入したりするため、せっかく高い断熱性能を持っていても、効果を発揮することができません。

高気密化は隙間風こそ防げますが、断熱材がなければ熱の出入りが激しくなり、室内温度を保てません。

高断熱で熱の通り道を塞ぎ、高気密で空気の通り道をなくす2つの組み合わせが、住宅全体の熱効率を向上させます。

高気密・高断熱住宅の基準

高気密・高断熱住宅に、国が定めた明確な基準はありません。しかし、一般的にはC値とUA値という2つの性能値が目安とされています。

C値(隙間相当面積)

高気密の基準は、C値(隙間相当面積)です。家全体の隙間の総面積を示す値で、数値が小さいほど気密性が高いことを意味します。

以前はC値5.0㎠/㎡以下が高気密の基準でした。現在では1.0㎠/㎡以下が一般的に高気密住宅と認識されるようになっています。

より理想の数値は、0.5㎠/㎡以下です。

UA値(外皮平均熱貫流率)

高断熱の基準は、UA値(外皮平均熱貫流率)です。

UA値は家全体から熱がどれだけ逃げやすいかを示す値です。数字が小さいほど断熱性が高いことを表します。

国が定める「住宅性能表示制度」の断熱等性能等級の等級5以上(ZEH基準)や、民間団体「HEAT20」のG1〜G3グレードなどが、高断熱住宅の目安とされます。

高気密・高断熱住宅の5つのメリット

高気密・高断熱住宅の実現で得られる5つのメリットを紹介します。

  • 光熱費の大幅な削減
  • 年中快適な室内温度の維持
  • 健康で安心な暮らしの実現
  • 優れた防音性
  • 災害時リスクの低減

光熱費の大幅な削減

高断熱によって熱の出入りを極力抑えつつ、高気密によって隙間からの空気の漏れを防ぐことから、高気密・高断熱の家では光熱費を大幅に削減することができます。

冷暖房で温めたり冷やしたりした空気を保持できるため、無駄にエアコンを稼働させる必要がなくなります。

電気代やガス代などのランニングコストの削減は住宅の寿命が尽きるまで続くため、生涯にわたる経済的メリットの大きさはかなりのものとなるでしょう。

年中快適な室内温度の維持

外気の影響を受けにくく、空気を外に逃さない構造によって、高気密・高断熱の家は年中快適な室内温度を維持することができます。

夏の暑い日でも、ガンガンに冷房を使うことはなくなるでしょう。冬の寒い日でも、過剰に暖房を使うことなく家全体をほどよく暖めることができます。

部屋ごとの温度差が少なくなるため、急激な温度変化によるヒートショックのリスクを軽減できるメリットもあります。

健康で安心な暮らしの実現

高気密・高断熱の家は、窓や壁の表面温度を室温に近づけるため、結露が発生しにくくなります。結露はカビやダニの温床です。結露を抑制できれば、アレルギーや喘息の原因を減らし、清潔で健康的な室内環境を保つことができます

気管支に問題を抱える方にとって、高気密・高断熱の家は大きなメリットを与えてくれるでしょう。

優れた防音性

高気密・高断熱の家は、気密性の高さと断熱材による防音効果もメリットの一つです。隙間をなくして家全体を密閉することで、窓や壁の隙間から入り込む車の走行音、近隣の話し声、工事の音などを大幅に遮断できます。

また、分厚く充填された断熱材による、音の吸収効果も見逃せないメリットです。家の中の生活音(子どもの声、ペットの鳴き声、楽器の音など)が外に漏れにくく、近隣住民への配慮にもつながります。

災害時リスクの低減

災害時に停電が発生すると、通常の住宅では冷暖房の停止によって急速な温度変化が発生し、夏は熱中症、冬は凍死のリスクに晒されてしまう可能性があります。

高気密・高断熱の家なら冷暖房が停止しても急激な温度変化は発生しません。もし、真夏や真冬に停電が長引いたとしても、ある程度の時間、室内の温度を一定に保つことができるため、緊急対応までの時間を稼ぐことができます。高気密・高断熱の家は、災害時のシェルターとしても機能してくれるでしょう。

高気密・高断熱住宅のデメリット

高気密・高断熱住宅の気になるデメリットを2つ紹介します。

  • 建築コストが割高になる
  • 計画的な換気が必要

建築コストが割高になる

高気密・高断熱の家を建てるとなると、ある程度のコストは覚悟しなければいけません。高性能な断熱材やサッシ、そして隙間を徹底的に埋めるための高度な施工技術が必要となるため、コストがかかるのは致し方のないことです。

また、併せて計画的な換気を行うための高性能な換気システムも導入されることが多く、部材費や工事費も上乗せされます。

補助金の有効活用で負担を軽減できる

国や自治体は高性能な省エネ住宅の普及を目的として、様々な補助金制度を設けています。補助金制度の情報を積極的に集め、適用できる補助金があれば活用することで、初期費用のデメリットを解消できるかもしれません。

さらに、複数のハウスメーカーから相見積もりを取り、性能と価格のバランスを比較することも重要です。

計画的な換気が必要

気密性が高すぎる家には、計画的な換気が必要です。高気密な家は隙間が極めて少ないため、自然な空気の出入りがほとんどありません。そのため、室内の空気がよどみがちになります。

何も対策せずにいると、人が呼吸によって排出する二酸化炭素や、家具などから出る化学物質、ハウスダストなどが室内に滞留し、シックハウス症候群など、健康を害するリスクが高まります。

健康被害のリスクを回避するため、高気密住宅では、24時間稼働する計画換気システムの導入が法律で義務付けられています。高気密・高断熱の家では、換気システムの設置が義務付けられていることから、通常の家に比べてコスト増となるかもしれません。

後悔はしたくない!高気密・高断熱住宅を建てる時のポイント

高気密・高断熱住宅を建てる際に気をつけたいポイントを3点紹介します。

  • 客観的な数値で性能をチェックする
  • 換気システムを理解する
  • 工事の品質チェック

客観的な数値で性能をチェックする

高気密・高断熱住宅を建てる際は、前述のC値(気密性)とUA値(断熱性)という2つの客観的な数値で、性能を確認しなければいけません。

口頭で「高性能」と謳うだけでなく、数値での明確な提示が住宅の品質の裏付けとなります。

可能であれば、設計段階での目標値だけでなく、実際の施工後に測定してもらうとより良いです。数値によって施工業者の技術力を客観的に評価することができ、性能通りの住宅であるかチェックすることができます。

窓や開口部の性能にもこだわる

家の中で、もっとも空気の出入りがあるのが窓です。高気密・高断熱の家を建てるにあたって、窓や開口部のチェックは欠かせません。

窓には樹脂サッシや木製サッシなどの断熱性の高いサッシがおすすめです。

ガラスはペアガラス、またはより高性能なトリプルガラスを選択した方がより効果的です。

窓へのこだわりは、光熱費の削減と快適な室内環境を実現する上で欠かせません。

工事の品質チェック

設計段階での数値目標だけでなく、実際の工事の品質も大切です。

どんなに優れた設計図があっても、現場での施工が雑だと性能通りの家にはなりません。

大事なチェックポイントは、断熱材の均一かつ十分な充填と気密テープなどによる隙間処理です。2つの施工が不十分だと、計画換気がうまく機能せずに、断熱材の性能が発揮されないことがあります。

可能であれば、工事中の現場を見学させてもらい、断熱材の施工状況を自分の目でチェックしましょう。施工後のC値測定を行う業者であればより安心です。

高気密・高断熱住宅の建設なら和建匠へご依頼ください

高気密・高断熱の住宅を検討している方は、ぜひ和建匠へご依頼ください。和建匠では地域に根差した家づくりをモットーに、人に優しい自然素材の家を提供し続けています。

自然素材の良さを活かした通気性のよさと、最新技術を投入した高気密・高断熱の住宅は、これまでに多くのお客さまから好評をいただいてきました。

基本プランには遮熱シートが含まれているため、和建匠の家は低コストで高断熱住宅を建築できます。高気密・高断熱の家をご検討の際はぜひお声がけください。

まとめ

高気密・高断熱の家は、室内の空気を閉じ込めて逃さない仕組みになっているため、外気の影響を受けにくいメリットがあります。連日続く夏の猛暑や凍える冬の寒さにも、柔軟に対応可能です。

一度調整した室内の空気が長い時間維持されるため、光熱費の削減にも大きく貢献してくれます。防音性にも優れた効果を発揮するため「周りの音が気になって落ち着かない」という方には安らぎをもたらしてくれるでしょう。

施工業者を選ぶ時のチェックポイントは、数値の提供と施工実績です。客観的な数値を提示してくれる施工業者なら、安定した品質が期待できます。 建築過程を公開している業者なら、断熱材の量や高気密対策もチェック可能です。コミュニケーションも重視して、信頼のおける施工業者へ依頼しましょう。