トリプルサッシのメリットとは?後悔しないためのポイントや効果的な使い方も紹介
2025.03.21

トリプルサッシを導入してみたいものの、具体的なメリットや後悔ポイントが気になって、今ひとつ決断できずにいる方も多いのではないでしょうか。
トリプルサッシは高い断熱性のみならず遮音性にも優れる高性能なサッシです。導入すると大きなメリットを享受できるでしょう。
一方で導入したことを後悔してしまう方も少なからず存在します。
本記事では、トリプルサッシのメリットとデメリットを詳しく紹介しています。トリプルサッシがどんなものなのか、後悔するポイントなど、気になる方はぜひ記事内容をご確認ください。
Contents
トリプルサッシとは
トリプルサッシとは、3枚重ねで構成されているガラス窓のことをいいます。窓サッシの性能と勘違いしてしまいそうですが、トリプルガラスという別称のとおり、ガラス3枚合わせ構造のことです。
トリプルサッシの3枚の窓ガラスの間には空気の層が設けられており、次のいずれかの空気が入れられています。
- 真空
- クリプトンガス
- アルゴンガス
- 空気
空気の層に真空やクリプトンガスなどを入れることで、熱伝導率を低下させつつ断熱性を上げることができます。
通常の窓ガラスに比べて、トリプルサッシの窓は断熱性が4〜6倍程度は高いと言われています。年中快適な室温が維持できる点は、トリプルサッシの大きなメリットです。
ペアガラスよりもトリプルガラスが優れている理由
断熱性には次のような特徴があります。
- 熱伝導率が低い素材ほど高い
- 断熱材の厚さに比例して効果が上がる
しかし、気体は厚さと断熱性が比例しません。空気入りの中空層の場合は厚みが12mmくらいまでは断熱性が飛躍的にあがりますが、12mmを超えると緩やかになります。
中空層の厚みが一定以上になると対流を起こしてしまい、熱を伝えてしまうためです。
中空層はある程度の厚みを確保しつつ、対流を避けるのが最も良いということになります。
最高の断熱性を考慮すると、対流を避けて適切な厚みに分割されているトリプルサッシが、最もバランスが良いというわけです。
トリプルサッシはなぜ後悔するといわれているのか
断熱性に優れるトリプルサッシですが、導入して後悔したという声も散見されます。
トリプルサッシの具体的なデメリットを3つ、ピックアップしてみました。
- コストの高さ
- サッシが重くなる
- 耐用年数が短い
最初にデメリットを把握しておくと、後悔の少ないトリプルサッシの導入を検討できます。
それぞれの詳細を説明しますので、ぜひ内容をご確認ください。
コストが高い
性能が良い分だけトリプルサッシ導入のコストは高いです。予算が限られている方にとっては大きなデメリットとなるでしょう。
家の窓をすべてトリプルサッシに変更すると、導入費用だけでもかなりのコストを覚悟しなければいけません。
トリプルサッシで使う窓ガラスと、従来の窓ガラスの価格相場を一覧表にまとめました。
ガラスの種類 | 価格相場(90cm×180cm) |
フロートガラス | 10,000〜25,000円 |
ペアガラス | 15,000〜80,000円 |
トリプルガラス | 50,000円〜100,000円 |
一般的なフロートガラスと比較するとトリプルガラスは約5倍程度の導入コストが必要です。ペアガラスと比較しても3倍です。
1回限りの費用ですが、コストが高いことが後悔の理由になっているケースもあります。
トリプルサッシの工事には窓枠やサッシごと、取り替えなければいけない点もデメリットの一つです。
サッシが重い
サッシが重いことも後悔の理由に挙げられることが多いです。トリプルサッシは窓ガラスを3枚使っているため、従来の窓より少し重くなることは否めません
窓の開閉時に毎回重さを感じてしまうため後で後悔する可能性があります。
特に女性や高齢者など力が弱い方にとっては開け閉めに苦労する可能性があるため注意が必要です。
耐用年数が短い
トリプルサッシは耐用年数が短いです。10年〜30年でダメになると言われており、窓のパッキンに関しては10年が限度です。
空気層の空気やガスが抜けて性能が低下してしまうため、30年も経てば大幅に性能が下がります。
せっかく高いお金を出して導入したトリプルサッシが早い段階で使えなくなると、導入を後悔してしまう方もいるかもしれません。
トリプルサッシを導入する時は保証期間をよく確認しておきましょう。保証期間が過ぎる前に一度交換しておけばサッシを長持ちさせられます。
トリプルサッシを採用するメリット
トリプルサッシの導入は実際のところ、デメリットよりもメリットの方が大きいです。
得られるメリットを4つピックアップしてみました。
- 断熱性の高さ
- 冷暖房費用の節約
- 結露の防止
- 一定の防音効果がある
断熱性の高さ
トリプルサッシの最大の強みは断熱性の高さにあります。3枚構造の窓ガラスと空気層に含まれる真空やガスによって、熱伝導率を極限まで抑えているためです。
従来のフロートガラスと比較するとその差は歴然ですが、2枚構造のペアガラスと比較しても、トリプルガラスの熱貫通率の低さは立証されています。
一般的にペアガラスは単板ガラスの2倍の断熱性、トリプルガラスはペアガラスの4倍の断熱性があると言われています。
断熱性が高い住宅は外気温の影響を最小限にとどめてくれるため、室温をいつも一定に保ちやすい点は大きなメリットです。
寒冷地に家を建てる場合は、外気温の影響を受けにくいトリプルサッシの導入を検討したいところです。
冷暖房費用の節約
トリプルサッシを導入すると冷暖房費用を節約できます。断熱性が高く外気温の影響を受けにくいので、最小限の冷暖房で室温を維持できるというわけです。
トリプルサッシは導入コストこそかかるものの、ランニングコストの節約ができるメリットがあります。
長い期間トリプルサッシを使い続けていれば、やがては初期コストよりも高いコスパの方が際立ってくるでしょう。
結露の防止
外気温の影響を受けにくいトリプルサッシを使うと結露の予防にも効果的です。
結露は外気温と室内の気温差が激しい場合に、室内に含まれる水分が水滴となって現れる減少です。
トリプルサッシによって外気温を遮断することで、結露の発生を抑制できます。
冬の間、ずっと室内に結露ができる環境だと、壁にカビが発生してしまい体によくありません。
健康上の観点からも、結露を防止できるトリプルサッシには大きなメリットがあります。
一定の防音効果がある
ガラス3枚構造となっているトリプルサッシは、物理的に音を伝えにくい構造になっています。
幹線道路沿いや空港、線路の近くに住んでいる人にとって、遮音性は大きなメリットです。また、窓を閉めておけば室内から出る音もある程度遮断できるため、近所迷惑に神経を使う必要もなくなります。
ある程度の音量で映画をみたい方には、トリプルサッシのメリットが大きいです。
音に関して神経質な方は、トリプルサッシの導入を検討してみるのも良い選択肢です。
効果的なトリプルサッシの使い方
トリプルサッシは初期費用こそ高いものの、光熱費を抑えられる上に快適かつ健康的な暮らしを手に入れることができます。
長い目で見ると、コスパの良い設備と言っても良いでしょう。
予算が限られている場合はトリプルサッシにする箇所を限定しましょう。一部に限定してしまえば初期費用を抑えられます。
日当たりの良い南向きの部屋にはトリプルサッシを設置せずに冷暖房をよく使う部屋に設置するなど、メリハリを効かせた運用の方が効率よく効果が得られます。
トリプルサッシを検討している方へ確認しておくべきポイント
トリプルサッシを導入する前にチェックしておきたいポイントを3つ紹介します。
- 導入コストのチェック
- 費用対効果を考えてみる
- 補助金が使えるか確認しておく
導入コストのチェック
トリプルサッシは通常の窓とサッシの厚みがことなるため、窓枠とサッシも交換しなければいけません。
通常の窓交換以上に費用がかかるため、事前に費用を確認しておきましょう。
自分で交換することもできますが専門性の高い作業になるため、知識がない人はやらない方が良いでしょう。
工事の規模によってもかかる費用はことなります。部分的な工事で済むケースもあれば、大規模なリフォーム工事が必要なケースもあります。
まずは複数の業者から見積もりをとって比較検討するところから始めましょう。
費用対効果を考えてみる
様々なメリットがあるトリプルサッシですが、費用対効果も十分に考慮しておきたいところです。
高い断熱性と遮音性によって得られるものを冷静に考えてみるのも大切なことです。
よく考えてみると、実はトリプルサッシほどの高断熱性は必要ないかもしれません。
その分の予算を別に回した方が良いケースも考えられます。
逆に、どう考えてもトリプルサッシが必要な環境なのに、予算を抑えるために通常のサッシにしてしまい、後々後悔するケースもあります。
後悔しないためには得られるメリットと状況をよく確認しておきましょう。
H3.補助金が使えるか確認しておく
省エネ性能を向上させるためのリフォームなどについて、補助金が出るケースもあります。
場合によっては最大数百万円のリフォーム費用が補助されることもあるため、住んでいる自治体や国の省エネ補助金制度をチェックしておきましょう。
まとめ・株式会社 和建匠の構造見学会について
トリプルサッシは高い断熱性と遮音性に優れており、長く使うほどそのメリットは大きくなります。
初期費用こそ高いものの、光熱費を節約できるため、結果としてコスパの良さが際立つようになります。
初期費用の高さや重さ以外の大きなデメリットは見当たりません。
通常のサッシに比べるとやや耐用年数は短いものの、十分に元は取れるでしょう。
和建匠で開催している構造見学会の建物にはトリプルサッシが採用されています。断熱性や遮音性の高さを体感したい方は、ぜひ一度構造見学会へお越しください。