無垢材で建てる、コストを抑える
2022.07.07
和建匠は建築に無垢材を使います。
ここでは、和建匠が無垢材にこだわる理由と、良質の無垢材をいかに安く手に入れるかについて説明します。
1.素材は無垢材 集成材は使いません
1-1.土台:千年の年輪を持つヒバ
土台には樹齢約千年のヒバを使用します。年輪は固く締まり、家全体を支えます。
ヒバのもつ殺菌効果で、シロアリや害虫をシャットアウトします。腐朽菌も寄せつけません。
ヒバから出る成分、ヒノキチオールの効用です。
1-2.梁(はり)、桁(けた):たわみに強い米松
たわみに強く、折れにくい米松は豪雪地帯、新潟で重宝される建材です。
その米松の大きさは、住む人に安心感を与えます。
1-3.柱:まっすぐに伸びる杉、ヒノキ
天に向かって伸びる杉やヒノキをJIS規格以上に乾燥させます。
極限まで乾燥させた杉やヒノキは、通常の二倍以上の強度を備えます。
1-4.大黒柱:杉
樹齢約100年、直径35㎝以上ある杉は、家全体を支える心強い存在です。
和建匠のパートナー提携先、夢ハウスで育てられた逸材です。
2.集成材のメリット・デメリット
集成材とはスライスした木材を接着剤で貼り合わせた板のことです。
メリットはコストが安いこと。
けれども和建匠では構造躯体に集成材を使いません。次のようなデメリットがあるからです。
2-1.シックハウスを起こす集成材
接着剤に化学物質のホルムアルデヒドが含まれます。
この化学物質は、目や喉の痛みや、喘息、アトピー、呼吸困難などを誘発します。
シックハウスの根源です。
2-2.断熱性のない集成材
木は内側に空気の層を備えています。
この層が温度を保ち、断熱材の役割を果たします。
集成材はスライスされた段階で、空気の層も削ります。層が壊れて外気を通し、室温を逃す板となります。
3.無垢材のメリット・デメリット
無垢材とは一本の木から切り出した一枚板です。
デメリットはコストが高くなりがちな点。
自然素材の一枚板なので集成材よりも融通がききません。
それでも工務店が無垢材を選ぶ理由はなぜでしょう。
無垢材のメリットをあげていきます。
3-1.断熱効果のある無垢材
木が熱を通しにくいのは、鍋敷きの代わりに木製のまな板を使った時に実感できます。
プラスチックのテーブルの上に厚みのある無垢材のまな板を鍋敷きの代わりに置きます。
そこに煮えたぎった鍋を乗せてもてもプラスチックのテーブルの表面は溶けません。
これは無垢材の中に空気の層が備わっているからです。
(危ないので実験はしないでください)
集成材は鍋敷きには使いません。
空気の層がスライスされていて、そのままでは熱がテーブルに伝わるからです。
加えて接着剤が揮発したりしたりしたら大変です。
無垢材の建材は外気から家を守ります。湿気も高ければ木が吸収し、乾燥すれば湿気を放出します。
集成材の床を歩くと、足元から体温が逃げませんか?
無垢材なら穏やかな感触が楽しめます。
3-2.無垢材は結露を起こさない
-30℃の冷凍庫に無垢材を入れても結露は起きません。
木の中の空気が断熱効果を高めるからです。
一方集成材は木の隙間から結露を起こし、カビの発生につながります。
これもシックハウスの原因となります。
何よりも素材を一度ご自身の手で確認してみてください。
長く付き合える建材かどうか、触れて感覚でお決めください。
4.無垢材の強度
4-1.木材の事前乾燥: 乾燥させた木は強い
昔から木は時間をかけて乾燥させろと言います。
芯まで乾かさないと、後からひずみが生じるからです。
ひずみに結露が浮き、カビや腐朽菌が発生します。建築物の劣化が起こります。
現在、JIS規格では建材の含水率を15%以下にするよう決められています。
けれども実際問題として、15%では建築後も乾燥が進みます。
建てた後に乾燥した建材は、微妙にひずみが生じます。そこからひびが入ったり、反り返ることがあります。
隙間があいたり、磨いた表面がざらつくのもこのためです。
和建匠では内装用の木で5%、構造材で10%になるまで乾燥させた無垢材を利用します。
含水率が低い木は変形しません。
4-2.土台や梁、柱、大黒柱の強化
千年の年輪で土台を支え、豪雪の重みを耐える米松を梁や桁に、まっすぐ伸びる杉やヒノキを柱に使います。
その一方で最新技術も活用します。
例えば、土台の通気をヒバだけに任せるわけではありません。
土台ガードで水分を遮断し、防湿シートや防音コンクリートも設置します。
断熱性も天然素材で強化。屋根には電磁波遮断の対策を施します。
無垢材の力と最新技術で、住む人の暮らしを守ります。
5.夢ハウスとの提携: 無垢材を追い求めて
無垢材は一本の木から加工した一枚板です。
価格は集成材よりも高めになります。
無垢材のコストをいかに下げるか。これは建設業界の大きな課題のひとつでした。
これを解決したのが夢ハウスです。
5-1.乾燥させた無垢材を提供
建材は乾燥させると強くなります。反りやひずみが避けられます。
夢ハウスは、建材を乾燥させる機器「ドライランバー」を開発しました。(2002年に特許取得)
このシステムで無垢材を水含率5~10%まで下げ、建材の変形を防ぎます。
5-2.杉を1から育てる:仲介、流通コストをカット
夢ハウスでは、杉を自社で育てます。
山林を育成し、製材、乾燥、プレスカットまで夢ハウスで行います。
商社や問屋、運送会社を通しません。中間マージンをカットし、コストダウンを図ります。
5-3.共同仕入れ
その他の木、ヒバ、米松、ヒノキなどは共同で仕入れます。
パートナー提携を結んだ工務店で注文をまとめ、仕入れ単価を抑えます。仲介費用もかかりません。
この後は杉と同じように乾燥、加工を一ヶ所で行い、流通コストをカットします。
夢ハウスの自社一貫生産システムは、国土交通省や経済産業省、建築業界や大学などから高い評価を得ています。
5-4.パートナーシップを活かす
無垢材の流通のために夢ハウスは工務店にパートナーシップを求めました。
共感し、提携したパートナーは現在全国で400件に上ります。
夢ハウスでは提携パートナーとも最新技術の研修や勉強会を行い、日々の進歩に対応します。
和建匠ではこの夢ハウスとパートナー提携し、良質の無垢材を共に仕入れ、天然素材の家を建築しています。
まとめ
無垢材は本来、断熱効果や、防虫作用を備えています。乾燥次第で頑丈な建材になります。
和建匠は夢ハウスを通じて全国の工務店とつながり、技術の向上や情報の共有にも心がけます。
低コストで仕入れた良質無垢材で、和建匠は安心して暮らせるマイホームを建設します。