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構造見学会では何が見れるの?チェックすべきポイントや注意点を解説

2024.11.12

構造見学会は普段隠れている家の内部構造や施工などを確認できるイベントです。また、施工の丁寧さを確認できる貴重な機会でもあります。

構造見学会に参加した方が良いとはいうものの、どこを確認したら良いのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、構造見学会の見るべきポイントや参加するメリット、注意点について詳細を紹介しています。

マイホームの建築で失敗したくない人や工務店選びで後悔したくない人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

構造見学会とは?完成見学会との違い

構造見学会とは、建築途中の注文住宅の内側を実際に目で確認できるイベントです。等身大の注文住宅をそのまま見せてもらえるため、家づくりの参考になる数多くの情報を得ることができます。

完成見学会もありますが、構造見学会の場合は天井や壁の裏、床下の構造など出来上がった家では見ることができない箇所までくまなくチェックできる点がメリットです。

昨今では長く住み続けることを前提とした家の建築が主流となっており、耐震性と耐久性の注目度が高まっています。

構造見学会を開催する住宅会社はこれからも増え続けるでしょう。

注文住宅を検討するときに訪れることになる構造見学会と完成見学会、住宅展示場の違いを一覧表にまとめました。

構造見学会 完成見学会 住宅展示場
施工方法のチェック ⚪︎
現場の状態を確認する ⚪︎
間取りなど全体像の具体的なイメージ ⚪︎
他のハウスメーカーとの比較 ⚪︎

構造見学会で見るべきポイントとは

構造見学会に参加した時にしっかり確認しておきたいポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。

大事なチェックポイントを5つ紹介します。

  • 基礎構造と床下のシロアリ・湿気対策
  • 外壁の防水処理と通気層
  • 床・天井・壁の断熱気密施工の確認
  • 耐震性を高めるための施工を確認
  • 現場周りの状況

基礎構造と床下のシロアリ・湿気対策

木造住宅を支える基礎の構造や床下の湿気・シロアリ対策は必ずチェックしておきたいポイントです。

見た目がどんなに強固な建物でも基礎構造を疎かにしていると住宅としての役割を果たせません。

その他に木造住宅では、床下換気やシロアリ被害への対策も重要です。通気性を確保するための構造躯体や土台のシロアリ予防対策など、実物をチェックしつつどのような対策がなされているのか確認しましょう。

外壁の防水処理と通気層

外壁で重要なのが雨水の侵入をストップする防水処理と、室内の湿気を逃して結露を防ぐ通気層です。

防水処理では配管や配線が専用部材で守られているか、また防水シートが上からでなく下から重ねられているか、という点をチェックしましょう。

通気層のチェックポイントは、通気動線の確保です。木材や金属が一定間隔で配置されていないと、十分な通気を確保しているとは言えません。

ある程度のスキマが確保されていないと水蒸気を含んだ水が滞留してしまい、外壁の劣化やカビの原因となってしまいます。

床・天井・壁の断熱気密施工の確認

夏に涼しく冬に温かい高性能な住宅を作るには、高い断熱や気密の性能が必要です。

チェックするときは次のポイントに気をつけて確認しましょう。

  • 断熱材がスキマなくしっかり詰め込まれている
  • 断熱気密層が連綿と続いていて途切れがない
  • 気密シートや気密テープがよれることなくしっかり貼られている
  • 養生テープや農業シートでなく、専用の気密部材が使われている
  • 配管や配線の周りのスキマが専用部材やテープなどでしっかり埋められている

予備知識が何もなければ見落としてしまいがちなポイントばかりです。

細かな処理や使用されている部材、テープなどはしっかりチェックしておきましょう。

耐震性を高めるための施工を確認

地震が多い日本において、耐震性は欠かせないチェックポイントです。耐震性が高い住宅は、大きな地震に遭遇しても全壊を免れる構造を持っています。

倒壊や破損のリスクが少なく、補修して住み続けることができる可能性が高いです。

土台や柱、梁など構造部分の接合方法や揺れを抑えるための工夫がなされているかがチェックポイントです。

その他、耐震等級について、どの基準に適合するのか、性能数値なども質問してみましょう。

現場周りの状況

建物本体だけでなく、現場が綺麗に整理整頓されているか、建材が適切に保管されているか、なども大事なチェックポイントです。

現場が整理されていないと住宅の品質にも影響が及ぶ可能性は高いです。丁寧な仕事は良い環境から生まれるとされています。

その他、建材が雨風に晒されないように保護されているかなど、気になるポイントはその都度質問して解決しておきましょう。

構造見学会に参加するメリット

構造見学会に参加することで得られるメリットを3つ紹介します。

  • 実物の構造や施工方法を目で確認できる
  • 現地で感じた疑問をそのまま質問できる
  • 工事の段取りや施工の品質をチェックできる

実物の構造や施工方法を目で確認できる

写真や動画でも建物の構造を確認することはできますが、実物で確認できるのは大きなメリットです。

実際に目で見ないとわからないところも多く、様々なアングルから確認すると構造をより的確に把握できます。

床下や壁裏など、出来上がってしまうと見えなくなる構造を理解しておくと、実際に自分が家を立てる時の良いチェックポイントとなります。

現地で感じた疑問をそのまま質問できる

構造見学会では、なんとなく感じた疑問をそのままにせずに、その場で質問して理解できます。

モデルハウスでは気が付かなかったポイントも、構造見学会なら発見できるかもしれません。

住宅会社のスタッフが説明しますので、わからないことはその場で質問しましょう。

工事の段取りや施工の品質をチェックできる

実際の建築現場を見学できる構造見学会では、ありのままの住宅会社の施工状況をチェックできます。

普段見ることの出来ない仕事の状況を確認できるのは、大きなメリットと言っても良いでしょう。

建築の仕事は一つ一つの作業の丁寧さや整理整頓が品質に直結しています。

建材や工具が整理整頓されているか、清掃が隅々まで行き届いてごみがまとめられているかなど、ホームページでは確認できない情報までしっかり確認しましょう。

構造見学会に参加するデメリット

構造見学会に参加するデメリットはないと考えても良いでしょう。特に費用がかかるわけでもなく、参加する際に必要なものは手間と時間くらいのものです。

構造見学会で得られる情報と手間暇を比べてみても、メリットの大きさは捨てがたいものがあります。。

「構造見学会に参加すると見積もりから契約まで一気に進んでしまいそう」と考える人もいるかもしれませんが、見学会の段階で見積もりや契約まで話を進めようとする住宅会社は検討から外すべきです。

事前に住宅会社の体質や営業方針を確認できるという点は、デメリットではなくメリットの一つと言っても良いでしょう。

構造見学会に行く時の準備と注意点

構造見学会に行く時に注意したいポイントと準備すべきことを3つ紹介します。

  • 動きやすい服装をえらぶ
  • 子供から目を離さない
  • 聞きたいことはあらかじめまとめておく

動きやすい服装をえらぶ

構造見学会では建築中の建物を見学することになるため、動きやすく汚れても良い格好で参加するようにしましょう。

よそ行きの格好では、埃だらけになってしまうかもしれません。また、汗や汚れを気にしながら見学していると、見るべき重要なポイントを見過ごしてしまう可能性もあります。

出っ張りなどに引っ掛けやすい服装も避けた方が無難です。

ヒールが高い靴屋サンダルもできるだけ控えて、運動靴などを使うようにしましょう。

子供から目を離さない

家族で構造見学会に参加する時は、子供から目を離さないようにしましょう。建築現場では尖ったものが多くとても危険です。ぶつけてケガをしてしまうかもしれません。

たとえしっかり整理整頓されている現場でも、小さな子供が手を触れると危険なものばかりです。

万が一建物や建材を壊してしまうようなことがあれば、施主へ大きな迷惑をかけてしまうことになります。

子供と見学するときは手をつなぐなどして、ケガやトラブルのリスクに備えましょう。

聞きたいことはあらかじめまとめておく

構造見学会に行く前にホームページやパンフレットを確認して、実際に聞きたいことをまとめておくと、当日の聞き忘れがなくなります。

現場で気がついたことや気になったことを質問するのも大切ですが、事前に情報を整理しておくと必要な情報を的確にヒアリングできます。

和建匠の構造見学会

和建匠では、人気シリーズ「匠の調べ kokage」の新しいモデルハウスの建築段階を見学していただくために、2024年7月に構造見学会を開始いたしました。

見学会は30分〜1時間で行われ、その場で気になったポイントを気軽にご質問いただいています。

構造見学会は、注文住宅を建てたいものの予算がどのくらいかかるのかわからない、素材について知りたい、大工さんと触接話をしていろいろ質問したい、という方におすすめです。

今はモデルハウスの構造見学会のみですが、新たな構造見学会の実施を考えていますので、注文住宅建築の際は是非ともお声がけください。

まとめ

構造見学会では、普段見ることができない住宅の裏側が確認できます。

完成見学会のように住宅全体のイメージは捉えにくいですが、完成した住宅では確認できない住宅の構造を確認できる点は大きなメリットです。

気密性を高めるための断熱施工や、通気加工は構造見学会でないと確認できません。

その他、床下の構造やシロアリ対策、耐震性まで確認できます。

注文住宅の建築を検討している人は、一度参加してみてはいかがでしょうか。

和建匠では、モデルハウスを建てる際に構造見学会を実施しました。構造見学会を実施できる機会は少ないですが、理想の注文住宅を建てるために実施の際は是非ともご参加ください。