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注文住宅は土地探しが重要!土地探しのコツや注意点を解説

2024.08.23

家を立てるためには土地探しが必要です。
とはいえ、初めての土地探しで、どこから手をつけて良いのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。
実は、希望に沿った土地を探し当てるには、コツがあります。
土地探しの段階で失敗すると、理想とは程遠い家が出来上がってしまうかもしれません。
本記事では、土地探しの重要性やポイント、注意点について詳細を説明しています。
土地探しに迷っている人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

注文住宅の土地探しが重要な理由

理想の注文住宅を建てるには、土地探しがとても大切です。
その理由を3つのポイントにて説明します。

・土地によって建築できる建物が違う
・土地によって資産価値が変わる
・土地の価格によって家にかけられる費用が変動する

土地によって建築できる建物が違う

同じ大きさの土地でも建てられる建物の大きさに違いがあります。建築できる建物の大きさは立地条件やエリアによってすでに決まっているためです。

家の大きさを決めるのは、建ぺい率を容積率です。建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の比率、容積率は敷地面積に対する建物の延べ床面積の比率です。

土地ごとに決められた範囲内でしか家は建てられません。理想の家づくりを実現するには、土地内にどのような家が建てられるのか、正確に把握する必要があります。

知識がないまま土地を選んだ場合、思い描いていた家を建てられない可能性もあります。理想の家を建てるのならば、土地選びはおろそかにしてはいけません。

土地によって資産価値が変わる

立地は不動産の価値を決定する大切な要素です。

築年数が経過するにしたがって建物は劣化するため、資産価値は次第に下がります。一方で土地そのものの価値は変動しにくいため、立地がよければ資産価値は高いままです。

土地の資産価値を決めるのは、沿線・駅など交通アクセスや買い物・通勤・通学の利便性、治安や医療体制など、さまざまです。

駅近は需要と希少性のため、不動産の価値は下がりにくい場所です。不動産の出口戦略も考慮に入れて土地探しをする場合、立地の良さの優先順位は高めに設定したいところです。

土地探しの流れ

土地探しの基本的な流れは以下の通りです。

1. 交通利便性、生活利便性、自然環境などを考慮してエリアを絞り込む
2. 予算の確認をしつつ理想と現実をすり合わせる
3. 建てたい家のイメージ
4. 具体的な候補となる土地をピックアップ
5. 土地を見にいく
6. 不動産会社による土地の調査
7. 希望の家を建てられるか、ハウスメーカーや工務店に相談
8. 買付証明書の提出
9. 土地売買契約を結ぶ
10. 土地購入

土地や住宅を買う前に、まずは自分たちの身の丈にあった土地はどの程度のものなのか、しっかりと見定める必要があります。
住宅ローンのシミュレーションなど、自力で計算することも可能ですが、専門家へ頼んで綿密な計画を建てることもできます。
ファイナンシャルプランナーや不動産会社へ依頼するのも一つの手です。

人生の過程で必要なお金の多くは住宅費用だけではありません。子供の教育費用や自分たちの老後資金も必要です。
全体的なライフプランを織り込みつつ、住宅に充てられる費用を算出してみましょう。
算出には、厚生労働省が出している教育費のデータなどが参考になります。

エリアが確定して予算上限の目処が立ったら、後悔しない納得の土地探しを始めましょう。
初めてではわかりにくい土地探しのポイント、コツを次の項目にて詳しく紹介していますので、ご確認ください。

土地探しのコツ・ポイント

土地探しの際に抑えておきたいポイントを3つに分けて説明します。

・実現したい暮らしを具体的に思い描く
・角地や中地など土地の特徴を把握する
・実地見聞のポイント

実現したい暮らしを具体的に思い描く

土地を探すということは、自分の人生の背景を決めると言っても過言ではありません。
30代、40代、50代と生活を送るにあたって、何人家族でどのような生活を送りたいのかをイメージします。夢の生活をどんな家なら叶えられるのか、入念に整理しましょう。

ライフプランとマイホームの計画例は次の通りです。

・子どもが小さいうちは伸び伸び遊べる広い庭が欲しい
・夫婦そろって車出勤なので2台分の駐車スペースは確保したい
・家族のくつろぎや趣味のための地下スペースが欲しい

生活背景に合わせて、様々なイメージが湧き上がるのではないでしょうか。

また、理想と現実のズレを修正するために、叶えたい理想の優先順位を決めましょう。
実際の土地選びで妥協しなければいけない場合、優先順位の低い物からキッパリと諦めて行きます。

例えば、子供が伸び伸びと遊べる広い庭や駐車場2台分のスペースの確保は、土地の広さ次第では難しいケースもあります。
どの項目が暮らしの優先度として高いのか、事前によく考えておきましょう。
近くに広い公園があれば、遊べる広い庭がなくとも理想は実現できるかもしれません。

角地や中地など土地の特徴を把握する

漠然と土地を探していると、どんな方向性で選んだら良いのかわからなくなります。
まずは土地を角地と中地に分類して、それぞれにメリットとデメリットがあることを覚えておきましょう。

角地とは交差する2つの道路に接している角区画の土地のことです。
角地のメリット・デメリットを紹介します。

角地のメリット

・視界が開けていて開放感がある
・玄関の位置や駐車場の位置の自由度が高い
・目立ちやすいので空き巣などの防犯になる

角地のデメリット

・土地の価格がやや高い
・目立ちやすいのでプライバシーが気になる場合がある
・周辺環境しだいでは人通りや車の往来がうるさい

中地とは三方が囲まれた土地のことを言います。
中地のメリット・デメリットは次のとおりです。

中地のメリット

・土地の価格は角地よりも安い傾向
・三方が囲まれているためプライバシーが守られる

中地のデメリット

・目立ちにくいため空き巣のターゲットになる可能性もある
・玄関や駐車場の位置は限定される
・角地よりも開放感がない

実地見聞のポイント

土地探しの際、不動産会社は頼れる存在ですが、最後は自分の目で土地をしっかり確認しなければいけません。
土地探しは何をチェックすると良いのでしょうか。

重要事項説明に該当するハザードマップ、土地の権利関係や、その土地にかかっている規制、ライフラインの有無などは不動産会社が説明してくれます。

自分でチェックすべきポイントは、浸水履歴などの防災面、昼夜平日休日の土地の雰囲気などの生活面などが挙げられます。

土地を確認する際のチェックリストを作成してみました。

調査できる場所 チェックポイント
地理院地図 国土地理院のサイト 土地の成り立ちと地形の自然災害リスク
ハザードマップ ハザードマップポータルサイト、自治体のサイト 洪水や土砂災害などのリスクに関する情報
浸水履歴 自治体 浸水履歴。ハザードマップに該当しない箇所でも浸水する可能性がある
地震防災マップ 自治体 地震・防災に関するリスク情報
造成前の土地の状況 現地 土地の高低差と境界線など
昼夜平日休日の状況 現地 騒音や交通量、治安など
周辺施設 現地 スーパーやコンビニの場所、病院や保育園、学校など
物価や住人の雰囲気 現地 駐車場やスーパーの商品の価格など
土地の高低差(擁壁 ようへき) 現地 近所に崖崩れや土砂災害のリスクはないか確認

現地周辺の物価や雰囲気を実際に体感するのはとても大切です。
地域の駐車場やスーパーを見ると、その地域の生活水準を察知することができます。
自分の生活水準を基準として、高すぎても低すぎても、あまりに差が大きな場合、生活し続けるのがキツくなってくるかもしれません。

不動産会社の対応はあくまでも土地の説明に終始します。建てられる建物の種類や大まかな規模は教えてくれるものの、具体的な間取りや採光、隣接する建物と目線が重ならない工夫ができるかなどは説明できないことが多いです。
土地を見に行く場合、建築を依頼する会社の専門家に同行してもらうと、希望する家が建築できるか、しっかり判定してもらえます。

注文住宅の土地探しの注意点

注文住宅の土地を探す時の注意点を4つのポイントにて説明します。

・地盤が強く災害にも耐えうる土地であるか
・建築条件をよく確認しておく
・境界線がはっきり定められているか
・住宅の建築ができる土地か確認する

地盤が強く災害にも耐えうる土地であるか

地盤が弱い土地に家を建てると、大きな地震が起きた時に地盤沈下が起こりやすく、家が倒壊してしまう可能性があります。
過去に地盤沈下や液状化現象が発生した土地は避けるようにしましょう。
地図や航空写真、ハザードマップを活用して、土地の特性と災害リスクを十分に確認します。

建築条件をよく確認しておく

土地いっぱいに家を建てられるわけではありません。住宅を建てられる面積は限定されています。
建蔽率や容積率をよく調べて住宅面積を算出し、理想の家に見合う土地なのか、十分に検討しましょう。

境界線がはっきり定められているか

隣接する土地との境界線がはっきり定まっていないと近隣住民とのトラブルに発展する恐れがあります。
基本的に現代の土地は家を建てるにあたって、境界線が打ち込まれているケースがほとんどです。しかし、現場の状況によって図面通りに境界線が打ち込まれていない場合もあります。
境界線がない場合やわからない場合は、隣人に立ち会ってもらい、明確に線引きをしておきましょう。

住宅の建築ができる土地か確認する

全ての土地に自由に家が建てられるわけではありません。基本的に家を建てられる土地は、土地計画区域内であることと、市街化区域として定められている地域のみです。
市街化区域でも家が建てられないケースはありますので、土地購入の際は、土地が宅地用として利用できるのか、事前に確認しておきましょう。

まとめ

事前準備と土地探しのポイントを抑えておくと理想の土地を見つけやすくなります。
理想の暮らしとマッチしそうな土地を見つけたら、早めに抑えてしまいましょう。
土地の購入を決断するときは、記事内のチェックポイントを参考にしてみてください。

わからないところは、信頼できるプロや専門家へ相談することも大切です。