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シックハウスと新築の関連性とは?主な原因と対策方法も紹介

2024.08.23

夢のマイホーム建築に関連して、シックハウスの原因や症状が気になり始めた人もいるのではないでしょうか。
シックハウスは化学物質を原因としたアレルギー反応の一つです。シックハウスという名前くらいは聞いたことがある、という人も多いかもしれません。
本記事ではシックハウスの原因や対策、建材の選び方などシックハウス全般について詳細を紹介しています。
シックハウスによるアレルギー反応が気になる人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

化学物質によって引き起こされるシックハウス症候群とは?

シックハウス症候群とは、住まいの環境を起因として起きる体調不良などの健康被害のことを言います。
シックハウスの発生源は風邪の原因となるウイルスのようなものではありません。室内や建物内の空気循環が滞ることで発生する有害物質を吸い込むことで発症します。
シックハウス症候群は一種のアレルギーと見なされており、症状が出る部屋や建物から出ると体調が軽くなる点が特徴的です。

シックハウスの問題は1996年に国会にて取り上げられ、2003年7月の改正建築基準法によってシックハウス規制法が定められています。
シックハウス規制法によって課された制約は次のとおりです。

・ホルムアルデヒドを出す建材の使用量を規制する
・24時間換気システムの導入義務
・クロルピリホスという化学物質の使用を禁止する

シックハウス規制法が制定されてからは、以前よりもシックハウス症候群を引き起こす化学物質は減少傾向にあります。

【頭痛や目のかゆみ】シックハウス症候群の主な症状と原因

シックハウス症候群の症状が出る体の部位と症状を一覧表にまとめました。

症状が出やすい体の部位 主な症状
頭痛
チカチカして涙が出てくる
乾燥や刺激を感じて鼻水が止まらない
口や喉 乾燥を感じて咳が止まらない
皮膚 乾燥によって湿疹やじんましん、痒みが出る
全身 めまいや倦怠感と吐き気をもよおす

シックハウス症候群によって引き起こされる症状は、風邪や花粉症の症状とよく似ています。シックハウス症候群を特定するための見極めポイントは次の2つです。

・室内にいる時に限って症状が現れる
・今の家に住み始めてから症状が出るようになった

外出すると症状が治る場合はシックハウス症候群の可能性が高いです。体に異変が見られる場合は、医療機関で受診しましょう。

シックハウス症候群の主な原因

シックハウスは次の3つの要因によって引き起こされます。

・化学物質
・カビとダニ
・気密性の高い家

化学物質とは、建材や内装材、家具に使われているホルムアルデヒドやキシレンのことです。これらの化学物質を吸引することで症状が出ます。
また、カビの胞子やダニの死骸の吸引もシックハウス症候群を引き起こします。梅雨時は湿気が室内にこもるため、発症のリスクは高まる一方です。

気密性の高い家は、化学物質やカビ、ダニの滞留を促進します。機密性の高さによってシックハウス症候群の程度は決まると言っても過言ではありません。
高気密高断熱の家は省エネ性能が高く快適に生活できるため、家を立てる時に注目されるポイントですが、シックハウス症候群を助長する性質があることは認識しておきましょう。

シックハウス症候群の対策方法

シックハウス症候群の基本的な対策方法を2つのポイントにて説明します。

窓を開けて換気を入念に行う

シックハウス症候群の有効な対策は窓あけと換気です。現代の住宅はアルミサッシ窓による高気密のおかげで、化学物質が滞留しやすい環境が整っています。
単身者や共働き夫婦の場合、1日の大半において部屋を締め切っているケースも多いのではないでしょうか。
1日中部屋を締め切っている場合、室内の化学物質濃度はかなり高くなります。丸一日室内にいることが多い老人は、長い時間化学物質に晒されてしまうでしょう。

シックハウスを回避するには、窓を開けてできるだけ風通しをよくすることが大切です。
新しい住宅やリフォーム直後の住宅では、入居前の換気をしっかり行いましょう。
入居後もホルムアルデヒドの濃度が下がるまでの数カ月間は、できるだけ頻繁な換気を心がけたいところです。
古い住宅でも、大きな家具やカーテン、じゅうたんの交換によって、シックハウス症候群を起こすことがあるため注意が必要です。

化学物質を含む素材をできるだけ使わない

現代の生活には、知らない間に化学物質を増加させる要素がたくさんあります。
具体的には、床に塗布するワックスや殺虫剤、芳香剤や消臭剤などです。影響の程度は人それぞれですが、小さな子供や呼吸器が弱い人がいる家庭では、最初から使用せずに自然素材のものに切り替えた方が良いです。
シックハウス症候群は、発症すると色々な化学物質に過敏になります。香水やドライクリーニング済みの洋服、合成樹脂の製品にも反応してしまい、体調を崩すことにもなりかねません。思い当たる症状があれば早めに対策しておきましょう。

新築はシックハウス症候群になりやすい?関連性を紹介

新築の家はシックハウスになりやすいのでしょうか。ポイントは気密性の高さにあります。
昔ながらの家は、日本の風土に合わせた在来工法が採用されており、スキマが多く通気性に優れた特徴があります。
湿気の多い日本で家の寿命を伸ばすには、カビの発生やシロアリの発生を防がなければいけません。
昔ながらの在来工法では、あえてスキマを取り入れて木材の湿気を除去し、家を長持ちさせていました。

しかし、エアコンなどの冷暖房機器が普及し始めるとスキマが多い昔ながらの家は機能しにくくなります。
心地の良い健康な暮らしと省エネを追求するために、スキマが少ない高気密な住宅が求められるようになりました。
空調の快適性を追い求めるあまり、室内の空気の入れ替えが滞り、結果として新築や新築分譲マンションのシックハウス症候群が社会問題化した、というわけです。

シックハウスは新築に使われている建材から発生する化学物質を起因として、現代住宅の気密性の高さを伴い、より化学物質の濃度が高まることによって発症します。
新築もさることながら、気密性の高い現代の家は全般的にシックハウスに気を付ける必要があります。

 シックハウスに対する法制度や業界の取り組み

シックハウスへの対策は法制度の他に、業界団体による自主規制も行われています。
具体例は次のとおりです。

・建築基準法による対策
・ホルムアルデヒドの等級制度
・室内環境配慮マーク

 建築基準法による対策

2003年の7月からシックハウス対策として、建築基準法に建築材料および換気設備の規制が導入されました。
換気設備に関しては、住宅に換気回数0.5回/時間以上の機械換気設備(24時間換気システムなど)の設置が義務付けられています。
関連する法令は次のとおりです。

ホルムアルデヒドに関する建材や換気設備の規制 ・内装仕上げの制限
・換気設備の義務付け
・天井裏などの制限
クロルピリホス対策 居室を有する建築物へのクロルピリホスを点火した建築材料の使用禁止

 ホルムアルデヒドの等級制度

住まいに使用している建材や施工材を調べる時に役立つのはJIS(日本工業規格)やJASが制定しているホルムアルデヒドの等級制度です。4段階で定められている等級制度からホルムアルデヒドの放出量がわかります。

・F☆☆☆☆(エフフォースター)
・F☆☆☆(エフスリースター)
・F☆☆(エフツースター)
・F☆(エフワンスター)

もっともホルムアルデヒドの放出量が少ないのはエフフォースターです。自然素材や無垢材でもホルムアルデヒドは放出されるため、建材に限らず等級は確認しておいた方が良いでしょう。

 室内環境配慮マーク

家具購入の際に良い指標となるのが、社団法人日本家具産業振興会会員企業の「室内環境配慮マーク」です。
業界独自の自主表示マークを家具に表示しています。

室内環境配慮マークがついている家具は、前出のF☆☆☆☆(エフフォースター)もしくはF☆☆☆(エフスリースター)なみの低い放出量に制限されています。
家具を選ぶ際には、ぜひともチェックしておきたいポイントです。

 100%天然素材で実現する夢のマイホーム

弊社では、100%天然素材にこだわったコットン1/2という住宅をお客さまへご提供しています。
桐を存分に使用した真壁の住まいは、化学物資アレルギーを持つ人におすすめです。
桐材と真壁は、湿度が高い夏には適度に水分を吸収し、湿度が低い冬には水分を放出する調湿機能も備えています。ナチュラルな湿度管理はお手のものです。
住みやすさと現実的な価格設定を実現するため、独自のルートで一括調達した桐材と、企画住宅の合理性を持ってローコスト建築に成功しました。
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 まとめ

シックハウスの原因となる化学物質は直接目で確認できないため、とても厄介です。
原因不明のアレルギー反応が実はシックハウスだった、ということもあります。
基本的な対策として十分な換気ルートを確保しつつ、窓開けによる定期的な換気を心がけましょう。
これから家を建てる場合や大型家具を購入する場合、ホルムアルデヒドをどの程度排出するのか、指標などによって事前に確認しておくと安心です。
弊社では、桐や真壁などの天然素材を存分に利用したコットン1/2というブランドを展開しています。
マイホームの建築にあたって化学物質が気になる人は、ぜひご相談ください。