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家を建てるなら平屋と二階建てどちらが良い?それぞれの特徴と選び方のポイントを紹介

2025.02.19

「マイホーム購入を検討しているものの、平屋と二階建て、どちらがいいんだろう」

このような悩みを持ち続けて、思うようにマイホーム購入の検討が進んでいない方も多いのではないでしょうか。

平屋と二階建てはどちらも一長一短があり、生活背景や状況によってそれぞれにぴったりの家は違います。

まずはそれぞれの家の特徴とメリット、選び方のポイントを把握しましょう。

本記事では、平屋と二階建ての特徴やメリットとデメリット、選び方について詳細を紹介しています。

家選びの迷いが尽きない方は、ぜひ記事内容をご確認ください。

平屋と二階建てのそれぞれの特徴

平屋と二階建てにはそれぞれの特徴とメリットがあります。

平屋と二階建てを検討する前に、まずはそれぞれの特徴を確認しておきましょう。

平屋

平屋は、日本家屋の伝統的な建築様式の一つで、全ての部屋が1階にまとめられている住居のことを言います。

2階建て以上の建物に比べて構造が安定しているため、耐震性に優れている点が大きな魅力です。

家事動線も短く、移動が楽なため、長く生活するほどに日々の生活が快適さを実感できるでしょう。

天井を高くしたり、大きな窓を設けたりすることで、開放感あふれる空間を作ることも可能です。庭とのつながりも深く、自然を感じながら生活できるのも平屋の魅力の一つです。

二階建て

二階建ては、その名の通り一階と2階の2つの階層で構成される住宅です。二階建て構造は、平屋に比べてより多くの居住スペースを確保できます。

二階建ては限られた土地面積でも、上下方向に空間を有効活用できるため、無理なく部屋数を増やしたり、各部屋を広く取ることができます。

場所によっては眺望の良さもメリットとなるでしょう。一方で、階段の上り下りが必要になるため、小さなお子さんや高齢者の方にとっては、注意が必要な点もあります。

平屋のメリットとデメリット

平屋のメリットは、家事動線のスムーズさやコミュニケーションの取りやすさなどが挙げられます。

一方で、平屋にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

平屋のメリットとデメリットの詳細をそれぞれ説明します。

メリット

・コミュニケーションが取りやすく家事がしやすい

二階建て住宅もコミュニケーションに配慮してリビングに階段を設置しますが、平屋の場合は家族全員が一階にいるため、コミュニケーションに気を遣う必要がありません。

「子供が知らない間に帰ってきていて気づいたら二階にいた」なんてことは平屋の場合はありえないことです。

また、家事のしやすさも平屋のメリットです。洗濯物を持って階段を上がることもありませんし、面倒な階段の掃除機かけもしなくて済みます。生活動線のシンプルさは生活のしやすさに直結します。

・バリアフリー設計に対応しやすい

バランス感覚が未熟な子供や、筋力の衰えがみられる高齢者は階段のない平屋での生活の方が安心できます。

バリアフリー化を取り入れた住宅にしたい場合は、建築の段階でできるだけ段差がない設計をすると良いでしょう。

自宅で過ごす時間の割合を考えると、危険な要因はあらかじめ少ない方が不慮の事故に繋がりにくいです。

・階段がないためデッドスペースができにくい

平屋の家には当然のことながら、階段スペースを用意する必要がありません。2階建の住宅を建てた場合、一般的な階段はワンフロアあたりおおよそ1.5畳分のスペースを占有することになります。

平屋には階段の下にできてしまうデッドスペースがないため、床面積をフル活用できるメリットがあります。

・天井の高さを自由に決められる

二階がないため、天井の高さを自由に決められるのは平屋の強みです。一般的な住宅の天井はおおよそ2.5メートルほどですが、より高くして開放感十分の空間を演出することもできます。

屋根の形状次第では、スキップフロアやロフトを設置するなど、遊び心を大いに取り入れた間取りを楽しめるメリットもあります。

デメリット

・周辺環境からの影響が大きく採光が難しくなりがち

二階建て以上の家に囲まれてしまうと、平屋は十分な風通しや日当たりを確保できなくなる可能性があります。

周辺環境からの影響を受けてしまう場合は、隣の家との距離を確保する、中庭を設けるなどの対策が必要です。

特に日当たりの問題は深刻化しやすいため、建築の前の段階で十分にシミュレーションしておいた方が良いでしょう。

・水害のリスクが高い

河川の氾濫などによる水害のリスクは二階建てよりも高くなります。二階建てなら上の階に避難することもできますが、平屋の場合はボートで脱出するしか方法がありません。

平屋の家を建築する場合は、災害リスクを確認するためにハザードマップをよく確認しておきましょう。

・二階建てよりも建築費用がかかる

延べ床面積が同じなら、基礎部分や屋根の面積が広い平屋の方が二階建てよりも建築費用が高くなりがちです。

同様の理由で、固定資産税は平屋の方が割高になります。

しかし、間取りの工夫や住宅設備の選択次第ではある程度費用を抑えることも難しくはありません。

平屋の建築を予算内に収めたい方は、工務店やハウスメーカーに相談してみてはいかがでしょうか。群馬県であればぜひ一度和建匠にご相談ください。

二階建てのメリットとデメリット

二階建ての主なメリットは、狭い土地でも理想の家を建てられる、平屋よりも費用がかからないことが多いなどが挙げられます。

一方で、二階建てにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

二階建てのメリットとデメリットの詳細をそれぞれ説明します。

メリット

・二世帯住宅へ対応しやすい

トイレの他に、キッチンや浴室を一階と二階に分けて設置できれば、それだけで二世帯住宅の完成です。平屋を二世帯に改築するとなると建て替えと同じくらいの費用が必要ですが、二階建ての二世帯リフォームなら平屋の改修ほど費用はかかりません。

しかし、各箇所に配管が通っていないと大規模なリフォームになってしまいますので、将来二世帯住宅にリフォームする可能性がある場合は、建築を検討する段階で要望として伝えておきましょう。

・狭い土地にも建築できるため費用を抑えられる

二階建ては縦の空間を利用できるため、狭い土地でも理想のマイホームを建築できます。限られた敷地面積でも建築できるため、平屋に比べると土地代を抑えることが可能です。

また、同じ延べ床面積の平屋と比較した場合、二階建ては基礎部分の屋根が少ないことから、建築費用も抑えることができます。

固定資産税を抑えられるのも二階建てのメリットです。

・プライバシーの確保がしやすい

基本的にリビングは一階に配置されることが多いですが、人通りが多い通りに面しているなどプライバシーが気になる場合、二階建てなら二階にリビングを配置することもできます。

人通りが多い通りに面した平屋なら、プライバシー確保のために窓を小さくするなどの配慮が必要ですが、二階建てならその必要はありません。

隣家への配慮ができるなら、大きなテラス窓も設置できます。

デメリット

・高齢者には階段が厳しい

高齢になると階段の上り下りが少しずつ苦痛になってきます。洗濯物を干すためにわざわざ二階まで上がるのも大変です。

また、子供が大きくなって家を出ていくと、子供部屋にしていた二階のスペースが無駄になってしまうこともあります。

二階建てを建築する場合は、高齢になったときどうするか、ということも合わせて検討した方が良いでしょう。

・コミュニケーションと家事動線に課題がある

一階と二階にフロアが別れると、コミュニケーションがうまく取れなくなる可能性があります。学校から帰ってきた子供が、物音を立てずに無言で二階に上がってしまえばそれっきりになってしまいます。

また、掃除や洗濯など、日常の家事でも一階と二階の行き来は慣れるまで大変です。前述のとおり、高齢になると体への負担も増してくるでしょう。

・メンテナンス費用と光熱費がかかる

平屋に比べて外壁の面積が広くなることから、メンテナンス費用が余計にかかります。二階部分の外壁や屋根の手入れは、足場代だけでも数十万円の費用がかかることを認識しておいた方が良いです。

平屋と二階建てを検討するときの比較ポイント

平屋と二階建てにはそれぞれに一長一短があり、簡単にどちらが良いとは言い切れません。

生活背景や状況次第で個々の最適な家は変わります。

自分にとって最適な家を選ぶための、平屋と二階建ての比較ポイントを紹介します。

建築費用

限られた予算のことを考えると、建築費用は欠かせない比較ポイントです。

平屋は二階部分がないので、壁や柱、床にかかる費用は少なく済みます。一方、横に面積が広い平屋は基礎や屋根の面積が広いため、二階建てよりも割高です。

同じ床面積でも平屋はより広い土地が必要になるため、土地代の高くなりがちです。

建売、注文住宅による違いもあるため、総合的な判断が必要になります。

家族構成

家族構成も大切な比較ポイントです。

平屋は家族全員が同じフロアで生活するため、相手の空気感を感じ取ることができます。子供や高齢者に目が届きやすいので、家族の安全を守りやすいメリットがあります。

階段の上り下りが大変な高齢者には、平屋の方が体に優しいでしょう。

一方で、二階建ては二階部分を居住空間にすることができるため、子供部屋などのスペースを十分に確保できます。上と下で空間が分けられているため、プライバシーの配慮もできます。

メンテナンス費用などのランニングコスト

長く住み続けることを考えると、ランニングコストも計算に入れておく必要があります。

平屋の方が必要とされる敷地面積が広いため、二階建てよりも不動産取得税や固定資産税などの税金が高くなります。

その他、建築面積の広さから、基礎工事にかかる費用やシロアリ・害虫対策などにかかる費用も高くなりがちです。

一方、平屋の場合は二階部分がなく、外壁の面積が少ないため、外壁塗装や屋根塗装の費用は二階建てほどかからないケースが多いです。

まとめ

平屋はコミュニケーションが取りやすく、バリアフリーに対応しやすい点が主なメリットです。一方で周辺環境に影響を受けやすく、建築費用が割高になりやすいデメリットがあります。

二階建ては狭い土地にも理想のマイホームを建築することができ、将来の二世帯住宅にも対応できるメリットがある一方で、上下移動の大変さやコミュニケーションの取りにくさがデメリットとして挙げられます。

一般的なメリットとデメリットははっきりしていますが、どちらが良いとは断言できません。生活背景や状況次第では、デメリットが気にならないケースもあるでしょう。

生活背景をベースに譲れない点と妥協できる点をはっきりさせておくと、マイホームの検討を前に進めることができます。