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夢の注文住宅!土地代込みの費用はいくら?エリアごとの相場や予算別事例も紹介

2024.08.23

「家を建てたい!どうせ建てるなら注文住宅と考えているものの、実際にいくら必要なんだろう」
夢のマイホーム建築にあたって、実際どのくらいの費用が必要なのか、いまいちイメージできない、という人も多いのではないでしょうか。
地域によって土地代が大きく異なるため、家の建築費用は全国均一の相場ではありません。
いまいちイメージができないのも致し方のないことです。
本記事では、全国エリアの注文住宅の予算相場や、予算ごとに実現可能な家、予算を組む時の注意点などを網羅的に説明しています。
注文住宅の費用相場がいまいちわからないという人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

注文住宅の予算相場はどのくらい?

各エリアごとの注文住宅の平均相場と世帯年収別の平均的な費用相場を紹介します。

全国の土地込み注文住宅の平均的な相場

2022年のフラット35利用者調査によると、全国の土地込み注文住宅の費用は、土地取得費1,499万円+建設費3,194万円=4,693万円でした。
費用は全国のエリアによって大きな差があります。エリアごとの違いを一覧表にまとめました。

エリア 土地と注文住宅の平均価格
全国 4,693万円
首都圏 5,405万円
近畿圏 4,893万円
東海圏 4,693万円
その他の地域 4,150万円

建物の建設費用はむしろ首都圏の方が安いですが、合計すると土地が高い首都圏の価格がもっとも高く、東海圏とは700万円程度の差があります。その他の地域とは、1300万円近くもの差になりました。

世帯年収別のシュミレーション

2022年のフラット35利用者調査に基づいて、注文住宅に対する世帯別年収平均の割合を一覧表にまとめました。

エリア 世帯別年収平均 土地と注文住宅の平均価格
全国 659万円 4,693万円
首都圏 729万円 5,405万円
近畿圏 658万円 4,893万円
東海圏 659万円 4,693万円
その他の地域 614万円 4,150万円

首都圏はやや高いものの、平均的に世帯年収の7倍程度の費用で収めています。
その他の地域の倍率が低いのは、元々土地があるなどの理由で、支払い費用が少ない可能性もあります。

予算別でどんな家が建てられるか

注文住宅はいくらからオーダーできるのでしょうか。予算ごとに建築可能な家を紹介します。

予算1,000万円の場合

予算1000万円で家を建てる場合、安い土地を探し当てるか、土地付き建売住宅から選ぶことが前提となります。
安価な平屋住宅かつ限られた規格住宅が選択肢です。500万~1,000万円台前半の住宅販売を得意とするローコストの優良なハウスメーカーを探しましょう。
2LDKの平屋を建築する前提で考えられるモデルケースは次の通りです。

土地代 510万円
建築工事費 1,270万円
諸費用 150万円
合計 1,930万円

予算2,000万円の場合

予算2000万円台に収める場合、まず1,000万円台の土地を探すか、土地付きの建売住宅のいずれかを検討することになります。
コンパクトでシンプルかつ合理的なコンセプトの家を選ぶことになるでしょう。予算2,000万円台も1,000万円台と同じく、ローコスト建築を得意とするハウスメーカーを見つけ出しましょう。
土地代を1,000万円と想定すると、家を1,000万円台で建てなければいけません。かなり妥協を強いられることは覚悟しておきましょう。
3人家族3LDKの家を建てる前提で考えられるモデルケースは次の通りです。

土地代 970万円
建築工事費 1,480万円
諸費用 270万円
合計 2,720万円

予算3,000万円の場合

予算3,000万円の場合、1,000万円の土地と2,000万円台の建築費用で検討します。
前述の1,000万円、2,000万円の予算よりも自由度は高いです。建築費用2,000万円の予算を組めばハウスメーカーの選択肢も広くなり、絞り込んだ上で要望を叶えることもできるようになります。
例えば、地震に強い家や吹き抜けのオシャレな間取り、ビルトインガレージなどが実現できるのも、2,000万円台からです。
4人家族3LDKを前提としたモデルケースは次の通りです。

土地代 1,140万円
建築工事費 2,300万円
諸費用 350万円
合計 3,790万円

予算4,000万円の場合

予算4,000万円台の場合、土地の費用は1,000万円から1,500万円程度が望ましいです。家の建築費用には2,500万円から3,000万円程度の予算を当てることができます。
2,500万円から3,000万円程度の予算を用意できれば、自分にぴったりのハウスメーカーを選んでお気に入りの家を建築できるでしょう。
とはいえ、デザインや素材まで全て希望を盛り込むのは難しいかもしれません。妥協ポイントと譲れないポイントをはっきりさせておきましょう。
4LDK5人家族を想定したモデルケースは次の通りです。

土地代 1,420万円
建築工事費 2,980万円
諸費用 440万円
合計 4,840万円

予算5,000万円の場合

建築費用で3,500万円〜4,000万円程度用意できれば、希望の家を建築できる可能性が高まります。夢のマイホームの実現です。
外壁や屋根の素材、グレードの高い壁紙と床材の使用、高品質なシステムキッチンの投入など、希望に近い設計が叶うのは予算5,000万円台からです。
いくつかのハウスメーカーと話を進めて、最も理想に近い家を選択することもできます。
4LDK5人家族を想定したモデルケースは次の通りです。

土地代 1,320万円
建築工事費 3,880万円
諸費用 530万円
合計 5,730万円

予算内で理想の注文住宅を建てるために

予算内で理想の注文住宅を建てるために抑えておきたいポイントを5つピックアップしました。

・外装と内装はできるだけシンプルにする
・無駄な間取りを圧縮して延べ床面積を減らす
・余計な設備とオプションを削る
・補助金と減税制度をうまく活用する
・建築に適した良い土地を選ぶ

外装と内装はできるだけシンプルにする

外装と内装をシンプルにまとめると、コスパのよい注文住宅が完成します。夢のマイホームを建てるとなると、つい何かとこだわりすぎてしまいがちですが、シンプルなデザインは飽きることなく築年数の割に古く見えません。
設計によってはモダンテイストなオシャレを演出することもできるため、強いこだわりがなければ妥協しても良いポイントです。

無駄な間取りを圧縮して延べ床面積を減らす

見積もりの概算やプランができたら、間取りの無駄を見つけ出して、できるだけ延べ床面積を減らす努力をしましょう。
例えば、坪単価70万円のハウスメーカーの場合、2坪延べ床面積を減らすと140万円のコストダウンです。
廊下を減らす、小部屋収納でデッドスペースを減らすなど、効率のよい間取りアイデアはいくつもありますので、一度検討すると良いでしょう。

余計な設備とオプションを削る

キッチンやユニットバスのグレード、間取りや設備のオプションを一通り見直すのも費用を抑えるポイントです。
システムキッチンはグレードが上がると選べるカラーや設備の選択肢が増えますが、実際には不必要なケースもあります。
食洗機や電動昇降機などのオプションも、すべての人にとって必要不可欠ということもありません。
グレードやオプションは妥協できる点が多いため、しっかり見直したいところです。

補助金と減税制度をうまく活用する

国や自治体が用意している新築住宅向けの補助金を上手く活用しましょう。
ZEHや長期優良住宅など、一定の省エネ性能を満たす注文住宅を建てると補助金を受けられるケースがあります。
住宅ローン控除のように、注文住宅を建てた後に税金が安くなる減税制度も効果が大きいです。
自治体や建築する家の条件次第では使える補助金制度が変わりますので、契約の前にしっかり確認しておきましょう。

建築に適した良い土地を選ぶ

注文住宅を無理なく建築できる土地を選ぶのも、コストダウンに欠かせません。
例えば地盤が弱い土地を選んでしまうと、地盤改良のための費用が別途必要になってしまいます。
地盤改良費の有無は、住宅建築に大きな影響を与えるでしょう。
土地を買う前には専門家のチェックが必要です。土地探しも依頼できるハウスメーカーなら注文住宅向けの土地を手堅く選ぶことができます。

予算オーバーになりがちなうっかりポイント

見落としやすい予算オーバーになりやすいポイントを2つ紹介します。

諸経費をすっかり忘れていた

諸経費の総額は概ね総費用の5〜10%と言われています。総費用3,000万円の場合、諸経費は150〜300万円程度という概算です。
主な諸経費は、土地の地盤強化工事、外構工事、水道管の引き込み工事や住宅ローンの手付金などが挙げられます。
土地代と建築費用にばかり気を取られてしまい、諸経費のことをすっかり忘れていた、というケースはしばしばあります。
見積もりを確認するときは、諸経費までしっかり見落とさないようにしましょう。

概算見積もりの時点で予算ピッタリ

ハウスメーカーから届いた概算見積もりの費用が予算とピッタリだった場合、後々予算オーバーとなる可能性が高いです。
概算見積もりは依頼主の希望を反映した、大まかな見積もりであることを忘れてはいけません。
詳細見積もりでは、細かな設計や設備を決めた上で、実際に建材費などを算出して提出されます。
詳細見積もりは概算見積もりよりも高くなることが多いため、概算見積もりでは予算の85〜90%に抑えておかないと後々、予算オーバーとなる可能性が高いです。

まとめ

土地の価格によってエリアごとの平均相場に大きな差があります。大都市圏から離れるほど安くまとめることが可能です。
予算によって建築できる家のグレードは異なりますが、注文住宅を建てるとなると最低でも予算3,000万円台は用意したいところです。5,000万円の予算が組めたらある程度の希望は実現できるでしょう。
概算見積もりが出たら、全体を見直して無駄をカットするのも良い方法です。妥協できるポイントと譲れないポイントをしっかり把握しておきましょう。