企画住宅とは?規格住宅や建売・注文住宅との違いやメリットについて解説
2024.10.17
一戸建ての建築には、注文住宅と建売住宅があるのは広く知られているところですが、企画住宅というタイプの注文住宅を知っている人は少ないのではないでしょうか。
また、企画住宅という言葉を聞いたことがある人でも、規格住宅との違いなど詳細を理解している人はさらに少ないでしょう。
本記事では、企画住宅の特徴や規格住宅との違い、企画住宅のメリットを詳しく説明しています。
Contents
企画住宅とは?
企画住宅とは、間取りや仕様設備、価格があらかじめ決まっている注文住宅の一つです。
ある程度専門家による規格が定められているものの、個人の好みや実現したい理想にカスタマイズできるため、より理想の家に近づくことが出来ます。
注文住宅のスタイルには、ゼロの状態から希望に合わせて家を組み立てるフルオーダータイプや、モデルとなる家をベースとして個人の好みに合わせて家を立てるセミオーダータイプがあります。
企画住宅はセミオーダータイプよりも決まった間取りや仕様設備、価格で建築できるシステムです。
企画住宅の特徴
企画住宅の主な特徴を5つピックアップしました。
・プロの建築家やデザイナーが設計したデザイナーズ住宅
・間取りや設備、仕上げ材など住む人の好みやスタイルに合わせてカスタマイズできる
・基本プランが用意されており設計費用を抑えやすい
・建築の工期が短いためスムーズに家を建てられる
・住宅メーカーによっては家具付きプランや外構工事付きのプランも用意されており、トータルの費用を抑えやすい
コストは抑えたいものの、量産される建売住宅では自分の理想が実現できないし、いまいち満足度が低い、という人は企画住宅を選ぶと良いでしょう。
ベースは決まっているものの、かなりの範囲で自分のこだわりを反映できます。
フルオーダーの注文住宅を検討していて予算オーバーとなってしまった人も、企画住宅を検討する価値があります。
規格住宅との違い
企画住宅と規格住宅は、一つのベースに基づいて家が設計されている点は同じですが、幾つかの違いがあります。
・デザイン性
・カスタマイズ性
・コスト
デザイン性
企画住宅はプロのデザイナーによって監修されているため、デザイン性が高く、オシャレなテイストを実現できます。
特に外観デザインや内装デザインに注力されており、トレンドを取り入れた住宅を建築できます。
一方で規格住宅はベーシックモデルを基本としており、デザイン性は企画住宅に及びません。
カスタマイズ性
企画住宅はセミオーダータイプの一つですが、カスタマイズ性は一般的なセミオーダータイプの住宅よりも高いです。
間取りの変更やオプションの追加など、ある程度は自由にアレンジできます。
コストをより抑えた家を建てたい場合は規格住宅の方が良いですが、こだわりを優先したい場合は企画住宅を選んだ方が満足度は高いです。
コスト
細部にこだわりを反映できるだけあって、規格住宅よりも企画住宅の方が割高です。デザイン性の高さもコストがかかる要因の一つです。
それでも、フルオーダーの注文住宅に比べると価格は安いため、コストとデザイン性のバランスが良い家を建てたい場合は企画住宅を選ぶと良いでしょう。
その他住宅(フルオーダー住宅や建売住宅)との違い
フルオーダータイプの注文住宅や建売住宅との違いをそれぞれに説明します。
建売住宅との違い
建売住宅の主な特徴を4つピックアップしました。
・土地と建物がセット販売されているため手続きが楽
・契約から引き渡しまでおおよそ2ヶ月〜4ヶ月程度
・間取りやデザインが決められている
・設備や住宅性能は注文住宅に比べると低い
土地と建物が一つのパッケージで得られているのは建売住宅の大きな特徴です。販売業者は土地と建物それぞれから利益を得られるため、比較的安く顧客に物件を提供できる強みがあります。
細かな手続きの省略や諸経費がかからない点も見逃せないメリットです。
すでに間取りが決まっているため、契約から引き渡しまでの期間も短く済みます。
建物がすでに出来上がっている場合、最短で1カ月半から2カ月程度で引き渡しが完了するケースもあります。
企画住宅との共通点は、土地とのセット販売と引き渡し期間です。建売住宅に比べると企画住宅の方が間取りやデザインの自由度の高さに特徴があります。
建売住宅と同様に、企画住宅もフルオーダーの注文住宅に比べると設備や住宅性能が劣るケースがあります。
フルオーダーの注文住宅との違い
フルオーダー住宅は使用する木材や断熱材、窓の種類など家の建設に関わる全ての箇所について、オーナーが決定して計画する住宅のことを言います。
土地の面積が許す範囲で自由度は無限大ですが、かなりの建築知識が求められます。完成までにかかる手間もかなりのものです。
時間と手間をかけた分だけ、完全に自分だけの家が建てられる満足感はフルオーダー住宅でしか得られない満足感があります。
フルオーダー住宅は資金と時間が豊富にある人、もしくは2回目の住宅建築におすすめです。
企画住宅との違いは、あらかじめ間取りが決まっていることと、建築期間を短くまとめられる点です。
ある程度我が家の理想像はあるものの、建築知識があまりなく、家造りといっても何から手をつけたら良いのかわからない、という人は企画住宅を選ぶと良いでしょう。
企画住宅のメリット
企画住宅は他の住宅と比べて、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
企画住宅を選ぶメリットを4つピックアップしてみました。
・ゼロから考える必要がない
・カスタマイズ性の高さ
・家の完成図がイメージできる
・アフターサービスの充実
ゼロから考える必要がない
フルオーダーの注文住宅の場合、ゼロからのスタートになるため完成がイメージしにくいデメリットがあります。しっかりしたイメージを持っていなければ建築業者へ具体的なイメージを伝えることもままならないでしょう。
間取りや設備、デザインなど全てを最初から決める必要があるため、決断に時間がかかってしまいます。
企画住宅はある程度間取りが決められているため、広さや部分的な変更点など、具体的なイメージを伝えやすいメリットがあります。
専門家がデザインした基本プランを元に自分の要望を伝えるだけです。どうしてもゼロから自分のイメージ通りの家を建てたい!という人以外は企画住宅の方がメリットを感じやすいでしょう。
カスタマイズ性の高さ
企画住宅は決められたフォーマットの中から、希望のオプションを追加できるため、予算の範囲内で理想の家に近づくことができます。
間取りはそのままでバルコニーやテラスをつけたり、キッチンや浴室をグレードアップしたりするなど、対応の幅広さは企画住宅ならではのものです。
企画住宅はオプション価格が明示されているため、予算を大幅に超えてしまうことは少ないです。予算の範囲内で夢にまで見た理想の戸建てに近づくことができます。
家の完成図がイメージできる
フルオーダーの注文住宅は図面やバース、CGを参考に細部まで決める必要があるため、完成がイメージしにくいです。初めて住宅建築に取り組む人で、図面を見ただけで実際の広さや質感を把握できる人は少数派です。
その点、企画住宅は大まかなフォーマットが決まっているため、完成のイメージはそれほど難しくありません。基本プランを参考にしつつ、実際に建築された家の写真や間取り図を確認することでイメージができます。
住宅会社によっては、VRやARを使ってイメージをサポートしてくれるサービスもあります。最新技術のサポートがあれば、より具体的なイメージを掴むことができます。
アフターサービスの充実
企画住宅を販売している会社の多くはアフターサービスが充実しています。住み始めてから発生したトラブルやメンテナンスの対応など、長期的なサポート体制は万全です。
企画住宅の場合、同じタイプの家を過去に建築しているノウハウがあるため、不具合やトラブルの事例に事欠きません。
フルオーダータイプの家よりも的確なアドバイスやサポートが得られるでしょう。
アフターサービスの充実度は各会社によって異なりますので、企画住宅を選ぶ場合はアフターサービスの内容もよく確認するようにしましょう。
企画住宅を依頼する場合の注意点
住宅会社へ企画住宅の建築を依頼する時の注意点を2つ紹介します。
・間取りのタイプや制限
・予算の範囲内に収まるか
間取りのタイプや制限
企画住宅は基本プランが設定されているため、間取りや仕様に制限が設けられています。フルオーダータイプの注文住宅ほどの自由度はないため、要望次第では実現が難しいケースもあります。
敷地の形状や周辺環境次第では、基本プランの変更が強いられることも想定しておきましょう。
会社によっては選択できるオプションの数が限られているケースもあります。理想にかなうオプションがない場合は追加工事が必要です。
企画住宅を検討する時は、基本プランと対応可能なオプションの範囲を選んで自分の要望に合うのか、事前によく確認しておきましょう。
予算の範囲内に収まるか
企画住宅は基本プランを元に家を建てるため、ある程度予算の範囲内に収まることが多いです。
しかし、オプションを追加するとその都度費用はかかります。グレードの高い設備や仕上げ剤を選ぶとあっという間に予算オーバーとなってしまうかもしれません。
プラン変更やオーダーメイド家具の追加も同様に予算オーバーの要因です。
依頼する会社によってコストに差があることを覚えておきましょう。同じような基本プランでも提供する会社次第では価格がことなることも多いです。
依頼の際は複数の会社の見積もりをとって比較検討すると良いでしょう。
施工会社選びについて
企画住宅を販売している会社は数多くあります。会社次第でデザインや品質、価格、アフターサービスが異なるため、十分に比較検討のうえ選びましょう。
施工会社を選ぶ時の注意ポイントは次のとおりです。
実績と評判
企画住宅の施工実績が豊富で良い評判を得ている会社を選びましょう。口コミサイトに掲載されている施工主の正直な感想をピックアップして、比較検討を進めます。
アフターサービス
内容や期間、費用などをチェックして長期に渡ってアフターサービスが受けられる会社をピックアップして比較検討しましょう。
担当者との相性
住宅の着工から完成までは数ヶ月かかります。計画段階を含めると半年すぎるおつきあいになるのは普通です。担当者との信頼関係を構築でき、正しく意思疎通ができるか否かも大事なポイントです。
和建匠では、お客さまが長年温めてきた理想の設計図を実現すべく、経験豊富な大工が確かな技術で夢のマイホーム建築をサポートしています。
「素材にもこだわりたい!価格もできるだけ抑えたい!」そんなご要望にもできる限り対応しています。
企画住宅の建築を検討している方は、ぜひ和建匠へご相談ください。
まとめ
企画住宅とはフルオーダーの注文住宅よりも自由度は低いものの、建売住宅や規格住宅よりも自由度が高いタイプの一戸建て建築オーダーシステムです。
デザイン性やカスタマイズ性に優れているため、一戸建て建築にある程度のこだわりがある方の要望にも柔軟に対応できる強みがあります。
「こだわりの一戸建て建築を考えているものの、住宅建築のことは何もわからない」という方は、企画住宅のオーダーを検討してみてはいかがでしょうか。